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どうなる更新料? 最高裁の判決を考えて見る
負け続けて1勝3敗。有効判決が出た瞬間は気勢を上げていた貸主サイドも、さすがにまな板の鯉のごとく、静かに(?)事態のみきわめを行っている状態。

しかし、このタイミングであえて言わせてもらおう。

「最高裁判決は更新料の一部賃料性を認める(更新料を有効と判断)」

なぜって、これ↓が理由だw


◆だって無効となったら大変なことになっちゃうもん

 更新料が過去にさかのぼって無効となったとしたら、首都圏の9割以上の大家が少なくとも数十万以上の返還リスクをおう。

 この法律が施行されて10年。1人の更新回数は最大で5回だから6世帯のアパートで家賃7万円なら210万円!これを「返して!」といわれる。

 大き目の賃貸マンションに、集団訴訟しませんか?と呼びかければ超効率的な「更新料返還ビジネス」が成り立つし、払いすぎ金利以上のブームになるのではないか?
ちょっとそんな世の中が想像できないレベルのカオスになるだろう。

 よく冷静になって考えるべきだ。実際にこの更新料で誰かが欺かれたのか?不透明でトラブルに発展しているのか?合意された更新料を無効としてまで世の中を混沌とさせる意味はあるのか?これがこの裁判の全てだ。


◆結果とつりあわない貸主側の落ち度。

 ところで大家は借金地獄と隣り合わせの状態に陥る羽目になるほど悪行を働いたのか?

 その悪行とは↓だ。

 ・契約書にも重要事項説明書にも明記し、
 ・大きな社会問題になることなく過去40年間以上に渡り
 ・借主は部屋を借りるために必要なお金として認識している
 ・9割以上の賃貸に設定(首都圏)された、
 ・「更新料をとり続けた。」

この結果として、先のような「リスク」を負うことになったわけだが、この“悪行”とその結果をよく比較してもらいたい。つりあうかどうか。(全くつりあわない)


◆消費者契約法の立法趣旨は

 そもそも消費者契約法というのは、事業者が情報格差を利用し、信義則に反して消費者に不利な契約をさせたときに活躍が期待される法律。言葉を選ばず言い換えれば、「消費者の無知に付け込んだ、だまし討ち」の契約が対象なわけで、更新料契約のニュアンスと比較して、明らかに違和感がある。

 単純に、更新料をもらったことと、その結果(首都圏のほとんどの大家が数百万の負債を抱えかねない)を比較して考えれば、やはり無効判決は社会的にもバランスを欠くといわざるを得ないし、数百万件という更新料契約がさかのぼって無効となる可能性が出てくる判決は、法秩序すら脅かしかねないのだ。


◆更新料裁判の争点

争点はおそらく2つ。
ひとつは更新料の対価性(実質賃料性)。
そしてもう一つは信義則違反の有無。

・更新料は大枠で賃料だ
 貸主・借主は更新料を法で規定された「賃料」とまで明確に認識してなくても、「部屋を借りるために必要なお金」として大枠での理解があることは間違いないし、これは更新料が首都圏の9割以上で設定され、過去40年世間の市民権を得て存続してきたことからも裏づけられる。つまり、実質の賃料という評価にみあった実績は持つわけで、実際に1つの高裁判決はそう判断しているし、更新料に賃料性の一部を認めた最高裁判決もある。

・信義則違反もない
 さらに、賃料以外の名目でなんら説明なくお金をもらうことは、賃料を低く見せるための行為として信義則に反するというが、上記の通り、(部屋を借りるために必要なお金)という認識は双方合致しているわけだから、この意味において情報格差や背信的な行為はない。そもそも、二年に一度更新料が賃料の○ヶ月かかるというシステムは、算数レベルで十分理解可能だから賃料を低く見せて悪質というには程遠い。


◆ということで最高裁は更新料に実質賃料性を認める!

 程度の差はあれ、実質論でいえば更新料は借主貸主お互いが「部屋を借りる対価」として約束した広い意味での使用収益に対する対価であり、そこに社会問題とするような情報格差・信義則違反なんてない。もちろん、更新料について100%合理性があるかといえばNOであるが、消費者契約法の趣旨を考えれば、信義則に反するほどに一方的な契約であったかが問題なわけで、合理性を完璧に説く必要は最初からない。

 「解約時に清算されない」という、一特性に合致しないからといって「賃料ではない」と断言してしまう消去法の理論ではなく、もっと実質的に、更新料の時代背景などにも目を向けて総論で考えれば、借主貸主の認識も含めて「実質的に賃料である」と解釈して何の違和感もないはずなのだ。

 したがって、この裁判は「実質的に賃料」という更新料の対価性を一部認め、消費者契約法10条前段要件は該当ありとしても、後段要件は該当なし、更新料契約を有効と判決する。


◆ こんだけ書いて負けたらどうなるか?

 「社会バランス」を考えれば、最高裁が更新料を一刀両断で無効!と判断するとは考えにくい。クリーニング特約の最高裁判例のように、特約の成立可能性、最低でも逃げ道になるような何らかの判断基準を示すはずだ。

 しかし、万が一完敗となった暁には、冒頭の通り、実態にそぐわない「大変なこと」になるばかりか、契約の自由を無視した、完全な借主の「タナボタ」になるだろう。どんなに合意しても「賃料以外がダメ」という含みがあるわけだから、当然、礼金・共益費もダメという法律論争に発展する。さらに、合理性のないものは全てNGという方向の波及をし、退室補修特約やその他、全ての特約に影響がでる可能性もある。

 だからこそなおのこと、完全無効はないと確信できるし、最低でも「ゴネ得」の風潮に釘を刺してくれると信じたい。
| comments(10) | trackbacks(15) |
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なるほどと思いながら読ませていただきまして、少し安心しました。
しかしながら、将来の更新料につきましては、あまり期待を持っておりません。更新料の廃止競争が始まる可能性があるのではないかと考えています。
| 村兵衛 | 2010/11/26 5:42 PM |
勉強になりました。有難うございます。
| 都民 | 2010/12/27 11:09 PM |
下級審判例が消費者契約法10条の前段と後段の該当性をかなり詳細に検討しているのはご存知かと思います。
更新料を無効とした裁判例も、有効とした裁判例も、一刀両断に「更新料=無効or無効」という判断はしていません。
最高裁もそのような判断方法はしないでしょう。

ただ、更新料を無効とした裁判例は、当該更新料について「対価性の乏しいもの」ないし「対価のないもの」と判断しています。つまり、部屋を借りるということの対価として払う「賃料」とはいえない、と判示してるのです。
このあたり、どうお考えですか?
| 大河 | 2011/01/17 3:30 PM |
簡潔に皆が思う理屈で述べられております。同意です。そもそも消費者保護とは詐欺まがいの商いから守る、が立法趣旨であり、消費者が弁護士の主張通りにバカ丸出しで業者の言いなりで契約するか!って。借地借家法を持ち出して無効を主張しているが、消費者契約法10条後段には矛盾しないことは明らかである。社会混乱を生業とする弁護士は反省せよ!弁護法1条を顧みよ!!
| taizou | 2011/03/29 9:59 AM |
大河さんへ

えーと。なのでまんまです。
賃料は使用収益の対価です。(当然、対価性がないという判決には同意できません。)
| jun | 2011/04/03 6:31 PM |
間違えました。

「更新料」は使用収益の対価です。
| jun | 2011/04/04 10:09 PM |
ド素人の意見なのでスルーして構いませんが、双方の合意と言っても、拒否したら気に入った物件を貸してもらえなくなるから、心情的には賃料以外は払いたくないけど仕方なく、というか合意せざるをえなかった、って感じですよね。。。
| takeo | 2011/06/28 5:47 AM |
ホントに素人な意見だな・・・
| chuta | 2011/07/12 2:11 PM |
時間的にもう判決はでてるかもしれませんが、敷引き判決の第二弾の判決文を見るに、こりゃ有効で確定ですなww
| jun | 2011/07/15 1:43 PM |
判決のニュースを検索していてここを見つけたのですが、あまりの先見の明に驚いて、思わずコメントさせていただきました。
| pchan | 2011/07/15 11:07 PM |









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