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更新料無効判決を考える その1
判決文もいろいろな解釈が錯綜していて私自身も法理論の辻褄合わせができていないのが正直なとこだが、整理しておきたいという意味で何回かに分けて書いてみる。
 
最初は、判決を受けて言われている二つのフレーズ。
 
「更新料そのものを否定した判決」
「更新料1年に2ヶ月の特殊な事例」

私の中では違和感ありまくりだったので、よーく考えてみた。


■更新料を全否定?


まず、この判決について「更新料を全否定」という各メディアの見出しだ。
コレだけ見て、消費者が更新料の設定=即無効ととらえているのではないかと危惧している。

 確かに、判決では更新料に対価性がないと言ってはいるが、消費者契約法で無効となるのは「”民法第一条第二項に規定する基本原則に反して”消費者の利益を一方的に害するもの」、すなわち、信義則に反する場合に限るのであって、合理性がないからといって、直ちに無効になるものではない。

 合理性の判定は、基本的に消費者契約法10条の前段要件に合致するかの判断材料であり、後段要件の補足的要素として加味されてはいるが、同法をもって無効とする直接要件ではないはずだ。

 今回の判決理由は、法定更新すれば更新料は不要なのに、そのことを説明せず、しかも法定更新でも更新料がかかるという、強行規定と真逆の条項を盛り込んでいる点を問題としている。裁判所はこのことが意図的で詐欺的、すなわち、信義則に反し、10条後段条件に該当したと判断したわけだ。

合理性などなくても、不動産会社が法定更新も選択できることを借主に説明し、その上で契約を締結していれば消費者契約法による無効要件には該当しない可能性もあったといえよう。



 

 ★「法定更新すれば更新料は必要ない」と言っているが・・・

  ここは判例でも割れているところであり、むしろ、法定更新でも原契約に
  更新料の記載があれば更新料は従前の条件として引き継がれる(支払い
  義務あり)という方が多い。
  
今回の判決においても、法定更新でも更新料が必要という前提になると、
  説明しようがしまいが借主の金銭負担は同じであるから、結果は変わった
  可能性があるのではないか。

 

 ★賃料の一部という性質を認めず、むしろ賃料を低く見せる行為と指摘。

  この論法では「賃料以外は一切認めない」ということになる。
  更新料が賃料でない理由として、契約解除時に分割清算されないなどの
  理由が挙げられているが、これらは礼金も当てはまる節ががあり、
  礼金の賃料性を認めた他の判決に逆行している。



1年2ヶ月の更新料は影響しているか



 業界側のコメントを見ていると、「あれは特殊な京都の話♪」と楽観の声がでているが、更新料が高額という点は、本件においてそれほど重要な点ではない。

 
まず、1年毎2ヶ月の更新料が高額なために無効になるのならば、それは消費者契約法以前(というか担当外)の問題で、民法90条の公序良俗違反(暴利行為)や借地借家法30条(高額な更新料で更新を実質制限)で無効となってしかるべき話。

 
しかし、民法90条の適用についてはどの判決も否定的であるし、この裁判でもNO(暴利ではない)である。借地借家法30条でも1年更新2ヶ月は微妙ではあるが、そもそもこちらは原告の主張にない。さらに、一審では高額ではないと判断していることからも、極端に高額ということはなく、この訴訟のツボではない。

 
また、繰り返しになるが、消費者契約法に基づく無効はあくまで「情報格差と交渉力の差から生まれる不公正」に基づくものだ。多少の高い安いは原則として直接関係がない。






とにかく、この問題は下手をすると、「賃料以外は全部NG」という結果になりかねないおっかない訴訟だ。しかも、事業者とされている貸主の実態はほぼ個人で本法の想定されている事業者としては、あまりのも弱小。

にもかかわらず、さかのぼって全部返せなんていうのは、社会秩序を乱すばかりであり、不動産業界の現実から乖離している。



ということで、眠いので来週(来年)に続く


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asahi.comによれば家主側が控訴したみたいですよ。
http://www.asahi.com/national/update/0904/OSK200909040082.html
| ジャムおじさん | 2009/09/05 2:55 AM |









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